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運転者の好意でクルマに乗ってた場合

「運転者の好意でクルマに乗ってた場合」

こんばんわ

名古屋も寒い日が続いてます。

好意同乗という言葉があります。
運転者の好意で(タダで)乗せてもらうことを指します。

好意同乗で交通事故に遭って被害を受けた場合、ケースによっては運転者に対する損害賠償請求が減額されることがあるとされています。

たとえば、運転者がお酒を飲んで酔っていることが分かっていながら、送ってもらうために無理やりクルマに乗り込んでいた場合に、運転者が事故を起こして乗り込んだ人が怪我をした場合などです。

この場合、結論的には、そういう危険な運転者であることを分かっていながら乗り込んだんだから、危険を容認・承認していたはず、として同乗者(被害者)から運転者への請求金額が、たとえば3割程度減額されたりします(判例など)。

このほかのケースもありますが、ただ最近の傾向は、単に好意同乗というだけでは減額を認めないという方向にあるようです。
たしかに、被害を救済するという制度趣旨からすれば、減額はできるだけ避ける必要があるのだと思います。

最後に判例上に現れたケースをひとつ。

ある医師が、夫のある看護師を誘ってクルマに乗せ、岸壁にクルマを停めて「不倫な関係」を結ぼうとしたところ、なにかの拍子にサイドブレーキが緩んでクルマごと海中に転落して二人とも死亡した事故について、最高裁は「有夫の身でありもっぱら深夜本件事故現場の如き危険な場所へ同行したということには一端の過失があった」として、同乗していた看護師の請求権を2割減額しました(最高裁判所S44年判決)。

「有夫の身」であることも「過失」を構成するんでしょうか…


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by lawyer-nishikawa | 2009-01-27 23:49 | 法律のこと

後遺障害の話~つづき

こんにちは。

きのう夜あたりから名古屋あたりはとても寒くなってます。
こちらはいつも風が強いんですが、気温が下がると寒風が身にしみます。
歳を取って体温が下がったか…。

ところで、これまでの投稿記事を見ていて途中になってたのがありました。

交通事故の後遺症の話。

交通事故に遭って、治療を続けてもこれ以上よくならないと判断されて、症状が固定した場合に、後遺障害として等級が認められる場合があるという話をしてました。

ただ、仕事をしていて思うのは、この等級を認めてもらうのが難しいことも多いということです。

たとえば、事故に遭ってから、腰が痛い、首が痛いといった場合、おそらくは事故が原因なのだろうと思います(それまでぴんぴんしてれば、そりゃそうです)。

でも、その痛みの原因がレントゲンやMRIから見てとれる、そうでなくても医師からみて痛みの原因を合理的に説明できる、という場合でなければ、基本的には認めてもらえません。
画像に写っていなければ、痛みは「気のせい」と同じ扱いです。
これは、後遺障害等級の認定基準があってそれに基づく認定の際に上記のようなことが必要とされます。

しかし、MRIなどの技術も日進月歩とは言わないまでも発展していってるわけで、いま現時点の技術で痛みの原因が見てとれないからといって、何も原因がないとの判断はできないはずです。

実際、レントゲンなどで異常なしとされていた被害者の死亡後に頚部を解剖したら、内部ではいろんな異変が起こっていたといったこともあるそうです。

「写っていないから原因はない」ではなく、「いまの技術では原因が写らない」と考えた方が正しいと思います。

とはいえ、現在の基準がそのようになっている以上、できるだけ痛みの原因をMRIなどに写るようにする必要があります。
また、仮に写っても「事故後の加齢的変化だ」と言われないためには、事故直後の撮影が大切です。

ということで、事故に遭って痛みを感じたら、すぐにレントゲンやMRIを撮ってみてもらったほうがよいと思います。
仮に、最初の病院で「異常なし」とされても、さらに他の病院で診てもらえばまた違った結果が出るかもしれないので、あきらめないことも大切です。



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by lawyer-nishikawa | 2009-01-24 12:28 | 法律のこと

中小企業への貸し渋り・貸しはがし

「中小企業への貸し渋り・貸しはがし」

こんばんは。

今日は名古屋は久しぶりにまとまった雨が降っています。

ところで、最近大手6大銀行を中心として、中小企業への貸し渋り・貸しはがしがひどくなってきているようです。

この厳しい経済情勢のもとにあって、そのような貸し渋り・貸しはがしのせいか、「運転資金欠乏」による倒産もかなり増えてきているとか。

しかし、その一方で例えば三●U●J銀行がモルガンスタンレーに9000億円出資するとか、いわゆる大企業向け融資・出資は増加している。

そもそも、日本の経済を支えてきたのは全企業の99.7%を占める中小企業。
その中小企業をこの不況下でもサポートすることが、莫大な公的資金注入も受けてなかば公的存在である大銀行の果たすべき役割だと思います。

そんな役割を果たすどころか、むしろ中小企業いじめに走っている大銀行にたいしては、もはや自浄能力は期待できず、なんらかの政治的な解決が必要なのでしょう。
政府のイニシアティブ発揮が重要だと考えます。

一法律家としても、力を発揮したいところです。
ガンバルゾー!

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by lawyer-nishikawa | 2009-01-21 23:13 | 社会のこと

京都~高さ規制問題

「京都~高さ規制問題」

こんにちは。
先日、仕事の関係で京都へ行ってきました。

b0155724_1214566.jpg

写真は柊屋旅館(別館ですが…)。
ちょうどうっすらと雪が積もった時でした。
京都にいたころは日常の風景でしかなかったのですが、いまではとても貴重な気がします。
町並みそれ自体が、京都の財産なのでしょう。


でも、いわゆる京都らしさを残す町並みはこれまで破壊され続けてきました。
市内中心部にある古い町屋は取り壊されて、そこに背の高いマンションが立ち並ぶ。
フィレンツェやローマの旧市街と比べると、町並み保存は絶望的です。


そんな京都でも以前から町並み保存の運動が続いています。


その結実(?)の一つが、2007年9月から施行の新景観条例。
町並みを保存しようとするこの条例の内容は多岐にわたりますが、一番は建築物の高さ規制でしょう。

市内中心部では、沿道で45メートルが31メートルに、地区内だと15メートルに引き下げられました。

いま建っている建物の高さが変わるわけではありませんが、今後はこの高さを超える建物は建てられなくなります。

少しは五山の送り火(大文字)や街を取り囲む山並みが見えるようになるかもしません。


ただ、高さ規制を超えるマンションなどは建て替えの際に、今の階数よりも少なくせざるをえなくなります。
たしかに、これは財産権の制限であり、マンション住民などを中心に反対意見も根強くあります。経済界の反発も強いようです。


個人的には、観光都市である京都において町並み保存は最も重要な問題の一つだと思います。
いくら仏像などの文化財があっても、他の都市と大差ない町並みの京都に特別の価値を見出すことは難しいように思うのです。
京都が京都であるためには、一定の制限はやむを得ないと考えるのですが…。


すいません。京都出身者の京都論は暑苦しいですね(笑)。


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by lawyer-nishikawa | 2009-01-18 12:14 | 社会のこと

映画 ゲロッパ

「映画 ゲロッパ」

こんにちは

3連休の中日、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

今日は、ちょっとした用事があってラグーナ蒲郡へ行ってきました。

東名高速を使ってクルマで行ったのですが、途中2カ所ほどのオービス。
でも、すでにカラクリを知ってしまっているので怖くはなし(笑)。

ところで、蒲郡には初めて行ったのですが、ラグーナ蒲郡の名前は名古屋に来る前から知っていました。
その理由は、ラグーナ蒲郡で撮影された“あの映画”を見ていたから。


その映画の名は「ゲロッパ(GET IT UP)」!


この映画は2003年に井筒和幸監督が撮影した日本映画。

ちいさなヤクザの組長(西田敏行)はソウルの神様:故(涙)ジェイムス・ブラウン(JB)が大好き。
その組長が近々が収監されてしまうということで、弟分のこれまたヤクザ(岸部一徳)が、「組長のためにJBをさらってこい」と命じるも、JBを知らない子分(山本太郎ら)はそっくりさんとして来日していたニセモノを連れてきてしまい、大目玉…。
その後もドタバタが続きますが、最後はスーパーハッピーエンド。

まー、“ヤクザが収監されるのを超法規的措置で免れる”という設定は、法律家としてはちょっとどうかという気もしますが(笑)、しかし、この映画とてもよかったですよ。

まずヤクザの組長らがJBマニアという設定からして笑いまくり。
ヤクザなのにJBのステップの研究を移動中の新幹線内でも怠らない、西田敏行と岸部一徳。
もうこれだけで、この映画は勝ったも同然。
その後も、西田敏行が収監前に弟分の岸部一徳に“どうしても渡しておきたいものがある”といって差し出すのが、これまたJBフィギュア。
そして岸部一徳は「そんな大切なものは受け取れまへん」と固く固辞。
そんなヤクザいるわけないやろ、とつっこみながらも爆笑の連続でした。

コメディの基本のひとつに、設定のギャップの面白さというのがありますが、この映画はそれがとても成功しているんではないかと。

そのほかにも、敬愛するトータス松本やナイナイ岡村くんとか、個性的俳優が脇を固めつつ、親子愛みたいなベタな展開もしっかり。

最後のシーンでは、ベタやベタやと思いつつも涙を流したことを思い出します(しかも劇場で)。

井筒監督、エラそうなこと言ってるだけのことはありますね。
ほんまに理屈抜きに面白い映画でした。

音楽好き、とくにソウル好きにはたまらん映画です。


てなことをラグーナ蒲郡で、まったく別の用事をすませながら思い出していた日曜日でした。


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by lawyer-nishikawa | 2009-01-11 17:56 | 趣味のこと

「派遣切り」~コメントにこたえて

「『派遣切り』~コメントにこたえて」

こうじさん、いつもコメントありがとうございます。
少し長くなるので、投稿としてレスします。

「派遣切り」「期間工切り」が社会的経済的正義にかなっているのかどうか、特に派遣の場合の派遣先企業の社会的責任論については、いろいろ議論があるかとは思います。

法律家としては、現在の法律で守られていないのではないかと思われる点を指摘してみます。


派遣労働者が契約途中で解除、解雇された場合。

たしかに派遣労働者は、派遣元と契約をしているのであって、派遣先と派遣契約を交わしているのは派遣元の派遣会社であります。

ただ、法律上、派遣先による正当な理由のない(派遣元との)派遣契約解除はできないとされています(派遣法27条)。

また、派遣元が派遣労働者を解雇するには、解雇が社会的に相当と認められる合理的理由が必要とされています(労働契約法16条)。

そして、派遣先による正当理由のない契約解除は、ただちに解雇の合理的理由とはならないので、派遣先と派遣元の契約解除を理由にしての解雇は無効ということになります(解雇権濫用法理)。

だとすると、ことの発端は派遣先の解除なのですから、それに正当な理由があるのかが問題となり、正当な理由がなければその解除を撤回してもらうことが当面の目標となりそうです。

次に、派遣先の解除に正当な理由がある、もしくは解除撤回をしてもらえない場合には、派遣元に対して解雇が無効であるとして次の就労先を提示してもらうようにする(ただ、この方法は事実上難しいかもしれません)。

派遣法からすると、そんな流れが考えられそうです。


じゃあ、中途解約に合意する契約書を派遣労働者が交わしていた場合はどうか。

おそらくその条項自体が無効になると思います。
労働基準法においては、労働者契約については法律の基準よりも低い契約条項がある場合には、その契約条項が無効となるとされており(労働基準法13条)、その理念が適用されると考えられるからです。
一般的に労働者は雇用される際に弱い立場にあるので、法律の基準は強行法的に守ろうという訳です(中小企業なんかは違う場合もあるように思いますが…)。


では、期間工が契約期間中途で解約された場合

期間工の場合には、直接雇用されており中途解約は契約違反ですので、違法ということになります。

では期間満了で解雇された場合は?

期間満了の場合には、雇い止めといって当然に契約は終了します。
ただ、契約更新を繰り返したり、「契約更新に対する合理的期待」がある場合には、更新拒絶に合理的理由が必要ということになります。



法律的にはそんな感じでしょうか。
ただ、気になるのは、非正規雇用がとても多くなってきているのに、その非正規雇用を切ることが認められていくと、労働者=消費者な訳ですから、消費体力が落ち、結局はモノやサービスを売る側に跳ね返ってきてしまうのではないかということです。

大企業や政府は、今の不況を一時的に乗り切るだけでなく、日本経済を回復していくために何をすべきかという視点で動いてもらいたいものです。



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by lawyer-nishikawa | 2009-01-09 14:26 | 社会のこと

「派遣切り」「期間工切り」

「派遣切り」「期間工切り」

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

昨年末から製造業を中心とした「派遣切り」「期間工切り」が相次いでいます。

ここ愛知県では自動車を中心とした製造業が盛んであり、派遣や期間工などの非正規雇用がかなりの数に上り、彼らも「派遣切り」等のターゲットになっているようです。

愛知県の場合、県外から派遣労働者としてやってくる場合も多く、その場合には派遣会社の寮などに住み込みで働くこととなります。
彼らが「派遣切り」をされると、仕事とともに住む場所も失うことになります。
これはかなり非人道的状態ではないかと。


いつごろから、こんな事態になったのでしょうか?


もともと労働基準法などで「人貸し業」として禁止されていた派遣労働が、「例外」ということで解禁されたのが1986年。
その後、1999年には「原則」自由化とされて、2004年には製造業へも拡大されていきました。

もともと法律で例外としか認められなかったものが、原則に逆転してしまったというわけです。


すべての法律には、“なぜその法律が存在するのか”という意味での趣旨があります。
われわれ法律家は、新しい物ごとを考える時には趣旨に遡って、法律が存在している理由が●●だから、こうではないか、というように方針を考えます。

派遣労働についての法律を見てみると、もともとは原則禁止だったものが、いつのまにか原則自由になり、製造業の単純労働にまでひろがってしまった。
これは派遣労働についての法律の趣旨に合致しているといえるのか、やはり疑問を感じざるをえません。


とはいえ、いまの法制度の下でも救済できることはまだまだあります。
なんとか非人道的状態をなくしたいものです。


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by lawyer-nishikawa | 2009-01-06 23:46 | 社会のこと

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